相続税の申告期限までに遺産分割が終わっていないと、税負担を大きく軽減できる「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」は、当初の申告では使えません。ただし、所定の手続きをしておけば、後から特例の適用を受けることができます。その手続きの流れを、国税庁の取扱い(令和7年4月1日現在法令等)にもとづいて整理します。

未分割のままだと、当初申告では特例を受けられない

相続税の申告期限までに遺産分割が行われていない場合、その分割されていない相続財産については、当初の申告時に「小規模宅地等の課税価格の特例」や「配偶者の税額軽減」の適用を受けることはできません

これは、これらの特例が「誰がどの財産を実際に取得したか」が確定していることを前提としているためです。

「申告期限後3年以内の分割見込書」で、後から適用できる

ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておき、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、これらの特例の適用を受けることができます。

この場合、分割が行われた日の翌日から4か月以内に「更正の請求」を行うことができます(納め過ぎた相続税の還付を受けられます)。

基本の流れ

① 当初申告で「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付
② 申告期限から3年以内に遺産分割を成立させる
③ 分割の日の翌日から4か月以内に「更正の請求」

3年以内に分割できない「やむを得ない事情」がある場合

相続に関する訴えが提起されているなど、相続財産が分割されなかったことについて一定のやむを得ない事情がある場合には、さらに期間を延ばすことができます。

具体的には、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を所轄税務署長宛てに提出し、その承認を受けます。

承認を受けた後の流れ

この承認後、判決の確定の日など、相続財産の分割ができることとなった日の翌日から4か月以内に分割されたときは、これらの特例の適用を受けることができます。

適用を受ける場合は、分割が行われた日の翌日から4か月以内までに「更正の請求」を行ってください。

手続きの期限管理は税理士にお任せください

未分割時の特例適用は、「分割見込書の添付」「3年」「承認申請」「更正の請求(4か月)」など、期限の管理が非常に重要です。一つでも漏れると特例が使えなくなるおそれがあります。当事務所では、未分割の相続税申告から、分割成立後の更正の請求まで一貫してサポートします。あわせて遺産分割協議が申告期限に間に合わない場合のコラム相続税申告のページもご覧ください。

※本記事は令和7年4月1日現在の法令等にもとづく一般的な解説です。実際の適用要件や手続きは、個別の状況・最新の取扱いにより異なります。詳しくは当事務所または国税庁の情報をご確認ください。

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